このセクションでは、コンピュートノードに Compute サービスをインストールして設定する方法を説明します。 Compute サービスでは、インスタンス すなわち 仮想マシン を配備する ハイパーバイザー が数種類サポートされています。簡単のため、この設定では、仮想マシン向けにハードウェア支援機能をサポートするコンピュートノードにおいて、KVM 拡張を持つ QEMU ハイパーバイザーを使用します。古いハードウェアでは、この設定では汎用的な QEMU ハイパーバイザーを使用します。これらの手順を少し修正するだけで、追加のコンピュートノードを用いて、お使いの環境を水平的にスケールできます。
注釈
このセクションは、このガイドにあるステップバイステップの手順に従い、最初のコンピュートノードを設定して来ていることを前提にしています。追加のコンピュートノードを設定したい場合、サンプルアーキテクチャー セクションの最初のコンピュートノードと同じ方法で準備します。追加のコンピュートノードは、それぞれ一意な IP アドレスを必要とします。
注釈
設定ファイルのデフォルトは、ディストリビューションにより異なります。これらの既存のセクションとオプションを編集するのではなく、追加する必要があるかもしれません。また、設定のスニペットにある 省略 (...) は、保持すべきデフォルトの設定オプションを意味します。
パッケージをインストールします。
# apt-get install nova-compute
debconf のプロンプトに答えます。
/etc/nova/nova.conf ファイルを編集し、以下の作業をすべて行います。
[DEFAULT] セクションで、 my_ip オプションが正しく設定されているか確認してください (この値は nova-common パッケージのスクリプト config と postinst により debconf を使って設定されます)。
[DEFAULT]
...
my_ip = MANAGEMENT_INTERFACE_IP_ADDRESS
MANAGEMENT_INTERFACE_IP_ADDRESS はコンピュートノードの管理ネットワークインターフェースの IP アドレスに置き換えます。一般的に、サンプルアーキテクチャー にある 1 番目のノードは 10.0.0.31 です。
[DEFAULT] セクションで、Networking サービスのサポートを有効にします。
[DEFAULT]
...
use_neutron = True
firewall_driver = nova.virt.firewall.NoopFirewallDriver
注釈
デフォルトで、Compute は組み込みのファイアウォールサービスを使用します。Networking サービスがファイアウォールサービスを提供するため、nova.virt.firewall.NoopFirewallDriver ファイアウォールドライバーを使用して、Compute のファイアウォールサービスを無効化する必要があります。
[vnc] セクションで、リモートコンソールアクセスを有効にし、その設定を行います。
[vnc]
...
enabled = True
vncserver_listen = 0.0.0.0
vncserver_proxyclient_address = $my_ip
novncproxy_base_url = http://controller:6080/vnc_auto.html
サーバーコンポーネントは、すべての IP アドレスをリッスンします。プロキシーコンポーネントはコンピュートノードの管理インターフェースの IP アドレスのみをリッスンします。ベース URL は、Web ブラウザーがこのコンピュートノードにあるインスタンスのリモートコンソールにアクセスするための場所を示します。
注釈
リモートコンソールにアクセスする Web ブラウザーをホスト名 controller を解決できないホストで使用している場合、controller をコントローラーノードの管理インターフェースの IP アドレスに置き換える必要があります。
[glance] セクションで、Image サービス API の場所を設定します。
[glance]
...
api_servers = http://controller:9292
カーネルモジュール nbd が読み込まれていることを確認します。
# modprobe nbd
/etc/modules-load.d/nbd.conf ファイルに nbd を追加することで、確実に、モジュールが起動時に毎回読み込まれるようにします。
お使いのコンピュートノードが仮想マシンのハードウェア支援機能をサポートするかどうかを確認します。
$ egrep -c '(vmx|svm)' /proc/cpuinfo
このコマンドが 1 以上 の値を返した場合、お使いのコンピュートノードはハードウェア支援機能をサポートしており、通常は追加の設定は必要ありません。
このコマンドが 0 を返す場合、お使いのコンピュートノードはハードウェア支援機能をサポートしていません。libvirt が KVM の代わりに QEMU を使用するように設定する必要があります。
nova-compute-kvm パッケージを nova-compute-qemu に置き換えてください。 nova-compute-qemu パッケージは、自動的に /etc/nova/nova-compute.conf ファイルを変更し、必要な依存パッケージをインストールします。
# apt-get install nova-compute-qemu
Compute Service を再起動します。
# service nova-compute restart
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