Newtonバージョンのリリースノート

7.0.0

前置

これまでは、環境ファイルに指定された 'parameters' と 'parameter_defaults' がそれぞれの既存の値を上書きしていました。

これまでは、event list RESTAPIは特定のスタックにネスト化されたスタックリソースが含まれていてもスタック本体のイベントのみを返していました。すべてのネスト化されたイベントを取得するためには、クライアント側で再帰的な実装が必要で非効率的でした。

テンプレートでの外部リソース参照が利用できるようになりました。

新機能

  • 設定ファイルに`template_dir`が追加されました。Heatにはデフォルトディレクトリとして`/etc/heat/templates`を通常使用していますが、これまで設定ファイルに定義されていませんでした。将来的には、テンプレートをグローバルテンプレート環境からアクセスすることを実装することが可能になります。

  • HOTテンプレート(heat_template_version.2016-10-14)に任意のセクション conditions 、CFNテンプレート(AWSTemplateFormatVersion.2010-09-09)に Conditions が追加されました。

  • conditions セクションで使用できる条件関数 equals , not , and , or などが追加されました。条件関数は conditions セクションで1つまたは複数の条件を定義でき、スタック作成またはスタック更新時に入力されたパラメタ値が判定されます。

  • resourceとoutputの定義に任意のセクション condition が追加されました。conditions で定義された条件名や条件関数が本セクションで参照することができ、条件によってresourceやoutputを作成することができます。

  • 新規関数 if が追加されました。条件判定において、結果を返します。resourceのプロパティやoutputの値を設定する際に条件判定を使うことができます。

  • 新規リソースプラグインOS::Cinder::QoSSpecsが追加されました。Cinderの``qos-specs``API拡張で提供されているCinder QoS Specsが利用できます。

  • QoS Specs属性の検証のためにcinder.qos_specs制約が追加されました。

  • 新規リソース OS::Cinder::Quota が追加されました。Cinderのクォータ管理に利用できます。Cinderのクォータによってプロジェクトが利用できるCinderブロックストレージリソースに対する上限を設定できます。対象は gigabytes, snapshots, volumesです。

  • 新規構成オプション 'max_server_name_length' が追加されました。これまでの上限値(53)を下げることができます。(例:LDAPや名前制限規則など、必要に応じて)

  • Neutronリソースに対し、内部DNS解決と外部DNSサービスとの連携が可能になりました。テンプレート開発者は、Neutronリソースプラグインの dns_namedns_domain プロパティを指定することで本機能が使えます。

  • 新規セクション 'parameter_merge_strategies' が環境ファイルに追加可能になりました。'default' やパラメタ固有のマージ方針(または両方)が指定できます。

  • 環境ファイルに指定されたパラメタとパラメタのデフォルト値は指定された方針に従ってマージされます。

  • event listのGET REST APIは 'nested_depth' パラメタの値が0より大きい場合これまでとは異なる動作となります。出力情報には、指定されたネスト階層(深さ)までのイベントの情報がすべて含まれるようになりました。

  • 'nested_depth'が指定されている場合、出力の 'links' リストに 'rel' の値が 'root_stack' となるエントリが追加されます。クライアント側で再帰的なイベント取得が必要かどうかを判断するのにで利用することができます。

  • 新規属性 external_id が追加されました。既存の外部リソースに対して参照する際に利用することを想定しています。本属性を指定すると外部リソースと認識し、内部で管理できないように(更新不可)なります。

  • 本機能はテンプレートバージョン 2016-10-14 以降で有効です。

  • リソースプラグインOS::Glance::Imageが更新されました。スタックの一部として、イメージの作成と更新時にタグが利用できるようになりました。

  • 新規関数 map_replace が追加されました。入力マップとマップという2つの引数を必要とします。マップには keysvalues (両方またはどちらか)が含まれます。指定された keysvalues が入力マップに代入されます。

  • Monasca通知リソースに任意の 'period' プロパティを追加しました。Monascaに対して、ALARM状態からOK状態に遷移(または逆も)するまで定期的にウェブフックを誘発する期間(秒)を指定することができます。アラームの状態が継続する場合に自動的にスケール(拡張・縮退)するスタックを作成したい場合に有益です。既存のHeat autoscaling動作に従い、本プロパティのデフォルト値は60となります。

  • Monascaが公式OpenStackプロジェクトになったため、リソースプラグインOS::Monasca::AlarmDefinition と OS::Monasca::NotificationはHeatコミュニティでサポートされます。

  • 新規関数 yaql が追加されました。string型の expression とmap型の data という2つの引数を必要とします。指定された data の情報を元に expression が検証されます。

アップグレード時の注意

  • configに新しく volumes セクションと設定オプション [volumes]backups_enabled (デフォルトは``True``)が追加されました。Cinderバックアップサービスが実装されていないクラウドの運用者は本オプションを False にすることを推奨します。

バグ修正

  • Cinderバックアップサービスが提供されていない場合、deletion_policySnapshot が選択されているボリュームリソースを含むスタックの作成を禁止するようにHeatサービスを設定することが可能です。